杉のベビーベット?の修理

お電話で「エンツコ」を直して欲しい。とのことでしたが、まったく意味が分かりませんでした。
お電話主の女性のおばあちゃん、お母さん、私が使ったものだから是非とも娘にも使いたい。と、、、
エンツコ?何ですかそれは???

ご本人は関東にお住まいとのことでしたが、お母さんが市内の方で現物を持って来て頂きました。
嬰児籠(エジコ)でした。

エジコ(嬰児籠)はかつての農村で、乳幼児を収納するために用いられた容器である。藁を編んで筒状にしたものだが、木や竹で作られる場合もある。地域によりイジコ・エンズコ(エンヅコ)・エヅメ・エジメ・イズミ(イヅミ、飯詰)・イヅミキ・コシキ・イブミ・ツブラ・ツグラ・チグラ・フゴ(畚)・ヨサフゴともよばれる。
農作業などで家を長時間離れなければならない時、屋内または作業場近くに乳幼児を安全に据え置くための道具として使われていた。 乳幼児がお漏らしをしても後始末が楽なよう、エジコの底には灰・藁・籾殻・海藻・木炭などを敷き詰め、その上におしめや軟らかくした藁・イグサで出来たシッツキなどを敷いて乳幼児を収める。さらに、エジコから抜け出さないよう布団や布切れなどで包み固定していた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%82%B3
昔の「ゆりかご」、今でいう「ベビーベット」ですね。

預かったものは底が抜けて、タガが外れておりました。
昔からの形を維持して欲しいとのことでしたので、外観はあまりいじりませんでした。

杉の嬰児籠の特徴は底板にあります。
外側の底は板目材を削り緩やかに盛り上げており、楽に揺らすことが出来ます。
側板は変形し難く軽い柾目板です。

さすがに現代では藁を敷いたりしませんが、自然素材のゆりかごは適度に保温効果があり、湿気を吸排気してくれて快適だったことでしょう。

地域によっては藁で作ったりしたそうで、猫専用のものが「ちぐら」と呼ばれたりするそうです。
その発想をもとに猫桶をつくったのですが・・・