「手前味噌」は木桶とともに育つ。
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味噌作りに木桶が選ばれてきた理由
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ナンシー・シングルトン・八須さんは、日本人が受け継いできた感覚を見事に伝えています。木桶は“容 器”の域を超え、発酵をともに育てるパートナーで あり、大切な原材料の一つであると捉えています。
昔の人たちは、よい味を出すために手間と工夫を惜しまず、ただ家族のことを思って味噌作りをしていました。だからこそおいしくできたときは自慢したくなるほどに誇らしく、そこから「手前味噌」という言葉が生まれました。
木製の桶や樽が日本に普及したのは室町時代からと言われています。以来、木桶は味噌・醤油・酒など日本の伝統的な発酵食品作りに欠かせない道具として使われてきました。それには、特別な理由があります。
木には麹菌や乳酸菌など発酵に欠かせない微生物がかも つきやすく、洗っても流されずに味噌や醤油を醸し続けてくれるからです。長く使うほどに、その木桶 特有の個性的な “醸し” の働きをしてくれるからです。
木桶は、木材が持つ「調湿機能」と「保温保湿機 能」を最大限に発揮する “魔法の器” です。木材内 部の構造が、パイプ状の細長い細胞から成り立つ「多孔質」であることが微生物を固定化させ、水分 を移動させて湿度と温度を調整し、発酵に適した絶 妙な環境を作るのです。
このすぐれた力で、木桶についた微生物は次の年もその次の年も元気に活動してくれます。こうして木の持つ機能と作り手の愛情を受けて、同じ味がふたつとないおいしい味噌が出来上がっていきます。
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「秋田杉の桶」と味噌作りは、 相性がいい。
沓澤製材所の味噌桶・麹蓋は、地元産の秋田杉を使っています。江戸中期に刊行された「和漢三才図絵(わかんさんさいずえ)」 (日本初の図入り百科事典)では、桶に適した良材 を格付けしており、最良は”杉”としています。また、「杉材を用ひて酒桶を造り、 杉のコケラ(削り屑)を酒中に投ずる類(たぐい)、亦然(またしか)るなり」という記述もあります。杉は、味噌、醤油、酒といった日本の伝統的な発酵食品をおいしく仕上げるために欠かせない木材として活用されてきたことがわかります。雪国秋田の寒冷な環境で育った秋田杉は、ゆっくりと成長するため木目が細かいのが特長です。高樹齢になるほど目が詰まり、美しいだけでなく強度が増し、材料伸縮が少なくなります。手入れしながら長く使う桶にぴったりの特性を備えています。だから秋田杉の桶は、味噌作りととても相性がいいのです。
秋田杉味噌桶
みそソムリエをはじめ、木桶での味噌作りを愛好している方々のたくさんのご要望を反映させました。 自然素材だけで作った、本格的な味噌用木桶です。
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赤身の板目を贅沢に使っています
抗菌性・耐久性に富んだ「赤身」と呼ばれる部位を選び、醸造に適した「板目」で化学接着剤を使わず組み上げています。贅沢な厚さの側板を使用して、長期間水分を漏らさず味噌作りに適した仕様にしています。
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厳選した竹を編み、頑丈に締め上げてます
竹タガは伝統的な技法で編み、通常の桶より本数を増やして丈夫な作りにしています。特に上部のタガは、口が広がらないように口縁部に近い位置で締め上げています。
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ずれないよう上蓋に段差をつけています
上蓋は、桶からはずれにくいよう、段差をつけています。
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中蓋はサイズごとの内径に合わせた大きさにしています
中蓋は、味噌が空気に触れにくいよう、内径に合わせた大きさにしています。
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底に柿渋を塗り耐腐性を高めています
底板は、耐腐性を高めるために、柿渋を3回 塗りしています。
今なら「ひまわり蜜蝋ワックス」外周塗布サービス
新発売の「ひまわり蜜蝋ワックス」を外周全面塗布サービスを実施しています。ツヤ出し、手垢防止、撥水効果、竹タガの弾きを抑えるなどの効果が期待できます。
桶樽の製造工程
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