大変遅くなりましたが…
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、突然ですが酒樽の興味深いお話をご紹介したいと思います。
(一社)日本船主協会様HPから、そのまま掲載させて頂きますm(_ _)m
「トン」の由来は酒樽を叩いた音
船の大きさを現すとき、重量トン、総トンなどの表現が用いられるが、このトンという単位、じつは酒樽を叩いたときの“トン”という音に由来するというのは、嘘のようで本当の話。15世紀頃、フランスからイギリスへボルドー産のワインを運ぶ船の大きさを表すのに使われ始めたものだという。ワインの樽をいくつ積めるかで、船の載荷能力を示したわけだ。
当時の酒樽1個の容積は約40立方フィート。これにワインをいっぱいに詰めると2,240ポンドになり、これをメートル法で表すと1,016キログラムになる。このため、以前のイギリスの単位では、1トンは1,016キログラムだった。しかし現在ではメートル法が適用され、1,000キログラムが1重量トンになっている。容積も、かつては酒樽1個を単位としていたが、こちらも100立方フィートが1総トンとなり、現在では船の容積に一定の係数を乗じて得られた数値を1総トンとしている。
ちなみに、和船の大きさを示す何石という単位も、積荷である米の石高からきている。洋の東西を問わず、その時代時代の代表的な貨物が、船の大きさを表す単位になっているわけで、船がいかに人間の暮らしに密着した輸送機関だったかが、こうした点からもよくわかる。
(一社)日本船主協会 HPより
https://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_001.html
酒樽は和洋問わず「液体を運搬する」という目的もあったりして現在の形になったそうです。
お酒が入った樽は簡単に持ち運び出来ません。
というか、私は持てないです。(女性にも…)
持つより、横にして転がしたのです。
そういえば、お米も俵で丸めて運びやすくしてますよね。
昔は樽にお酒を入れて出荷すると、樽はほとんど帰って来なかったみたいです。
遠方ならなおさらですよね。
灘の有名なお酒を江戸に持って行って、酒樽だけ返して下さいとはなかなかいかないですよね。
昔々の和樽は醸造元から一方通行だったわけです。
お酒や醤油の出荷とともに差し上げて?しまうものだったのです。
一方、桶は味噌、漬物、なれずし、洗濯などなど、幅広い用途で何度何度も使われてました。
ということは、耐久性が求められたのです。
同じ杉でつくられた和樽と和桶。
桶と樽の違いは、
「桶は短冊状の木の板を並べて竹で締めて底板をつけたもの」
「樽はそれに蓋がついたもの」
要するに、「蓋」があるか無いかだけなんです。
板目だから酒樽、柾目だから桶というのは、分類の仕方としてチョット乱暴です。
材料や作り方は用途によって分けられるのです。
用途の違いであって、樽はなるべく簡素に、桶はなるべく頑丈にと、作ることが多いです。
例えば、酒樽は菰(こも)を被せたりするので外観は荒仕上。内部も液体を入れるだけなので荒仕上。榑(くれ)と呼ばれる短冊状の板はなるべく薄く頑丈に。
桶は手を入れて作業したり、持ったりするので、内部も外部もキレイに仕上げます。
榑は厚めにして木の接面を増やし、竹釘などで型崩れを防止したりします。
そういうことで、職人さんも「樽職人」と「桶職人」と別々に存在していました。
今となっては全国的に桶や樽職人さんも少なくなっており、その違いを同じ場所で体験することはなかなか出来ません。
弊社で今現在も和桶と和樽と両方作れることが出来るのは本当に幸いです。
この技術を残していけるか、いつも心配になります。
しかし、お客様のニーズになるべく応えることが、生き残るひとつの方法と思って取組んでます。
沓澤樽丸店として創業し今年で90周年。まだ90年。
今年も、今後ともご支援頂きますようお願い申し上げます。