製材所の仕事③

久しぶりの更新になってしまいました。
申し訳御座いません。

さて、製材所の仕事③です。
前回はオペレーターが操作している大割製材をご紹介しました。
また前回の大割製材では、帯鋸一枚(シングルバンドソー)でした。

今回ご紹介するのは、全自動自動送材車ツインバンドソー(帯鋸二枚)です。
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 ①原木の長さを自動計測し、長い場合は適寸にカットします。
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②原木の形状も自動計測します。

原木を大割する際の最適な木取を選び出し送材車にセッティングします。
原木には元(根っこの方)と末(先っぽの方)があります。
元と末を揃えて製材することは生産性や品質で重要になります。

また、曲がりについては背と腹があります。
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出典:http://www.e-house.co.jp/advice/10.html
背と腹を違えて製材すると、歩留りや品質に影響が出ます。

この大割は形状などを読み取って先人の知恵と技術を参考に木取りも自動化し、かつ二枚の帯鋸で生産性を向上してくれる機械です。
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③最適な木取り位置で製材されます。
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④二本の鋸が左右に動き寸法を合わせてくれます。

一度に帯鋸二枚で製材するので、単純に言えば倍の能率となります。
実際は動作を含めてそれ以上の能率となります。

人間でも自動でも、製材は最初の製材鋸入れが重要です。
なぜなら最後の製品まで品質、精度、歩留りを左右することになるからです。

自動化することにより便利で生産性が高くなるのですが、節の位置、年輪の細かさ、木味の良さなど関係なく製材してしまうのです。
木目を切らさない、節を活かしながら、歩留まりを上げるなどなど…
木の持つ素晴らしさはやはり熟練した人間が製材することにより活かされると思うことが多々あります。
そして、人間が体で覚えたことはなかなか忘れませんが、自動機械は制御パソコンが壊れたら忘れるどころか機能停止して大変です。

この様に便利な機械は全国各地の製材所で多く使われてます。
「何かを選ぶとき、何かを捨てなければならない。」
という思いに抵抗しながら、弊社でも最後まで原木を活かしきる様に努力しています。

つづく。